こんにちは、スタッフのOです。珍しく二回連続で今回も取材こぼれ話をお伝えします。右側の写真、どんな商品かご存知でしょうか?これはカヤ(榧)という木の実から抽出したオイルをつかってつくられた香水です。スギやヒノキと比べると馴染みの薄いカヤですが、囲碁将棋の愛好家にはよく知られた木です。タイトル戦などで使用される盤は、ほぼもれなくカヤからつくられたもので、本カヤの碁盤・将棋盤は愛好家にとっては垂涎の一品。
このカヤの木、一人前の成木になるまでに300年もの年月が必要といわれています。とても美しい木目と色ツヤ、ほどよい硬さと弾力性をあわせ持ち、痛みにくく長年の保存にも耐えられる高品質な木材ですが質の良い大きなカヤ材は手に入りにくく、非常に高価でもあります。このカヤを四国の山に植え育てている方に、先日お会いしてきました。
高知市相生町にある高知前川種苗の前川穎司会長がその方。囲碁好きが高じて碁盤を集め始め、次第にカヤの魅力に惚れ込み、遂には自らカヤを育て始めたそうです。夢みるカヤの森づくりには、シカやイノシシとの闘いなどもあり、常にご苦労は絶えないそうですが、悲観することなく、とても前向きでまるで楽しまれているような話しぶりが印象的でした。
さて、冒頭でご紹介したカヤの香水。その場で香りをテイストさせていただきましたが、柑橘系の爽快さに森林の深みを感じる芳香が絶妙にまじりあって、とても上品な香りでした(この香水、気前よく会長からいただいてしまいました…)。このほかにも、カヤからつくられた食器や小物などもあり、主にネット通販で販売されているそうです。もちろん、倉庫の中には大量のカヤの碁盤・将棋盤も。下手の横好きではありますが、いつかは憧れのカヤの将棋盤を…と思った取材でした。前川会長、橋田さん、どうもありがとうございました。
前川榧碁盤店
榧工房かやの森