スタッフの徳弘です。Netflixで配信中の『今すぐ購入:購買意欲はこうして操られる』を鑑賞しました。本作は顧客に絶えず消費を続けさせるために、ブランド各社が行う販売戦略に切り込んでいくドキュメンタリー映画です。企業利益を最大化させるための5つのルール(「1:もっと売れ」「2:捨てさせろ」「3:ウソをつけ」「4:真実を隠せ」「5:洗脳しろ」)を、大手ブランド(AmazonやApple、adidasなど)の元従業員が解説、経験談を語るとともに、大量生産・消費・廃棄される社会に警鐘が鳴らされています。
鑑賞しながら、販売戦略に乗せられる消費者として同じような経験が過去にあったことを思い出しました。それがiPhoneの買い替えです。当時はキャリアプランも魅力に感じ、2年に1回のサイクルで新作リリース時に替えていました。iPhoneは毎年、新作が発売されていますが、これはマーケティング手法のひとつで計画的陳腐化といわれています。短期間で新モデルを投入し、旧モデルが陳腐化するように計画することや、意図的に製品の寿命を短縮することで新製品への購買意欲を上げる戦略です。家電製品やトレンドの移り変わりが早いアパレルなどの業界で取り入れられています。計画的陳腐化は1920年代からはじまり、その先駆けとなったのが電球と自動車です。電球は当時約2,500時間あった寿命が、ポイボス・カルテルという国際的な企業協約で1,000時間までに短縮された時があったそうです。売上、利益は潤ったものの、大量に排出される廃棄ゴミは貧しい国や途上国に流れ着き、環境汚染、人体への被害が出ていると作中で紹介されていました。
大量生産や消費をすることの影響はとても大きく、問題解決には企業努力が必要不可欠で、すでに個人の力だけではどうすることもできないし、取り返しのつかないフェーズにいるのかなと感じたのが率直な感想です。ミニマリスト的な生活が理想なのかなと思う一方で、ものを買わない人が増えれば、景気が悪化していくことも想像できます。とても難しい問題ですが、消費者として、ひとつのものを大事に使い続けること、ものを購入する時には今必要なものなのかを見極めることを意識していきたいですね。耳が痛くなる内容ですが、今後の消費行動の改めや新たな発見を得た作品でした。ネトフリユーザーさんはぜひ鑑賞してみてください!