クリケットの上村です。読書の秋、皆さんはどんな本を手にされていますか?私は、井上ひさし氏の本を読みたいと思っています。
きっかけは、NHKの朝ドラ「らんまん」です。植物学者・牧野富太郎博士の人生や史実をどんな風にフィクションに仕立てるかが気になって見始めたら、脚本が面白くて面白くて、毎日録画をして見ていたドラマです。どんどん話しの展開に引き込まれました。ドラマの放送終了後に脚本家の長田育恵さんが井上ひさし氏の教えを受けた人であったことを知り、なるほどと思いました。
私は大学で、翻訳家で小説家でもあり演出家でもあった師に出会い、言葉の選び方、小説・映画などのストーリーの組み立て方を見る目を養われました。映画のオープニングにはエンディングを示唆するものが隠されている、それを見抜けと言われ、映画は謎解きの視点で観ていました。小説はラストを最初に読む癖がつきました。ラストにもって行くまでにどんな展開で迫るのかや、伏線のはり方を読み解こうとしました。
「らんまん」はその当時を思い出させる作品でした。長田さんの脚本中に井上ひさし氏の言葉「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、そしてゆかいなことはあくまでゆかいに」を見た気がした作品でした。