季刊高知81号の特集取材で、門田カメラマンと一緒に県内あちこちに出かけています。東洋町に行った際、野根川の河川近くで野生のシカ、8頭ぐらいの群れに出会いました。はじめは2頭を見つけて、門田さんと「シカやねえ。山じゃなくて、河川敷きで見かけるのって珍しいねえ」と話していました。その後、シカが鳴き声を発し走り始めると、なんと群れになって疾走しました。あまりにも頭数が多かったので、二人でビックリしたものです。
生息数の増加と生息域の拡大で、自然生態系と、林業や農業などに深刻な被害を及ぼしているシカやイノシシ。今は捕獲により被害を可能な限り小さくするしかないのが実情です。シカやイノシシらは自然界で生きるための行動なのですが…。
うまく付き合う方法はわかりません。天敵といわれるオオカミが減ったからという人もいるし、人の手が入らなくなり荒れた耕作地や山林があるので、とても臆病なシカやイノシシがノビノビと個体数を増やしているという人もいます。
人ができることは、可能な限り山林を管理する人がいること。(シカもイノシシも臆病で、人の姿を見ると離れるようです)。同じように耕作放棄地を出さない。そして、山の構成をスギ、ヒノキの針葉樹だけにするのではなく、ミズナラ、コナラ、クヌキなど山の生き物の食料となる実がなる木をバランス良く配置できればどうでしょう。まあ素人考えなのですが…。
国のお金の使い方ですが、シカやイノシシの捕獲に補助金を出しながら、高知だったら地域おこし協力隊の方や、県内各地にある集落活動センターのメンバーを中心に、地域に住む年金暮らしの65歳以上の方に少額の謝礼(例えば月4万円ぐらい)を出して里山を整備してもらうなどをすれば、山林対策、鳥獣被害防止、地域にお金の循環が生まれるのでは…と。つい熱くなってエッセイを書いていますが、いかにシカの群れにあった衝撃が大きかったかというご報告でした。